付言事項で家族に思いを伝える

遺言書には「財産を〇〇といった」こと以外に、「相続人への感謝の気持ちや、葬式の方法は△△にしてほしい」などと、記載することも出来ます。
そして、このような事項を「付言事項」といいます。
付言事項で、あなたの思いを家族に伝えましょう。
付言事項とは
付言事項とは、「法律に定められていない」ことを遺言でする事項のことで、法的効力を持ちません。
よって、付言事項には強制力は一切ありません。
一方、法律に定められた事項、いわゆる法定遺言事項を遺言書に記載すると、その事項は法的効力を持ちます。
付言事項の効果

法的効力がないのであれば、付言事項を記載する意味はないのではないですか?
強制力がないからと言って、「付言事項に効果はないのか」というと、そんなことはありません。
付言事項を記載することにより、全てが丸く収まる、といった効果も見込めます。
例えば、ある特定の相続人だけ遺産配分が多く、他の相続人の遺留分を侵害していたとします。
このような場合に、なぜそのような遺産配分をしたのかを、付言事項に記載することによって、他の相続人がその理由に納得し、遺留分侵害額請求などをしない、といった効果も見込めます。
あなたの死後、相続が争続に発展し、家族同士で骨肉の争いに・・
100%防げるとは限りませんが、相続人への感謝の気持ちや、どのような思いで遺産配分を決めたのか等を、付言事項として記載すれば、争続を防げる可能性は高くなります。
また、付言事項はあなたの「最後のお願い」でもあります。
残された家族にとって、よほどの事情がない限り、そのお願いを無碍(むげ)にする、といったようなことは、あまり考えられません。
法的効力はないとしても、付言事項には「それなりの効果はある」と言えます。
付言事項に記載すべきこと

法的効力がないからといって、適当に付言事項は書かないようにしましょう。
残された家族がちゃんと実行できるか?といった視点を持って、記載することが大事です。
くれぐれも「太陽に散骨してくれ」などの、非現実的なことは記載しないようにしましょう。
そして、付言事項には、一般的に以下のような事項を記載することが多いです。
- 葬式の方法
- 家族への感謝の気持ち
- 相続争いにならないようにとのお願い
- なぜこのような遺産配分にしたのかの理由
付言事項の記載例
当サイトの以下のページにて、付言事項の記載例を紹介しています。