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  3. 妻に全財産を相続させたい場合の遺言書の文例と注意点

相続の対象財産はしっかりと明記する

妻に全財産を相続

全てを妻に遺産相続させるからといって、「財産のすべてを妻〇〇に相続させる」と記載して終わるのではなく、遺産相続させる財産は、出来る限りしっかりと明記しましょう。

遺言書に財産を明記することにより、妻が知らなかった財産が判明する、という場合もあります。

ただ、「財産のすべてを妻〇〇に相続させる」という遺言でも、無効になるわけではありません。

子供や被相続人(亡くなった方)の親などがいる場合(いわゆる他の相続人に遺留分がある場合)には、付言事項にて「妻に全てを遺産相続させる理由」も記載しましょう。

付言事項に理由を記載したからといって、法的効力があるわけではありません。

ただ、他の相続人の心情に大きな影響を与える可能性があります。

理由しだいでは、他の相続人が「遺留分侵害額請求を断念する」ことも十分に考えられます。

他の相続人に遺留分がある場合

遺言者○○は本遺言書により次のとおり遺言する。

1.遺言者は妻○○に次の財産を相続させる。

 (1)遺言者名義の下記の土地

  所在 東京都○○区○○丁目

  地番 ○○番

  地目 宅地

  地積 90㎡


 (2)遺言者名義の下記の建物

  所在 東京都○○区○○丁目○○番地

  家屋番号 〇〇番地

  種類 居地

  構造 木造かわらぶき1階建

  地積 55.6㎡


 (3)遺言者名義の下記の預金全て

  ○○銀行○○支店 普通預金(口座番号×××××)

  ○○銀行○○支店 普通預金(口座番号×××××)

  ○○銀行○○支店 定期預金(口座番号×××××)


2.その他、遺言者に属する一切の財産を妻○○に相続させる。


3.本遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。

 住所 東京都〇〇区〇〇

 税理士 〇〇


4.付言事項

 長男〇〇や長女〇〇にも相続分があることは理解している。ただ、今の財産があるのは、全ては妻の支えがあったおかげだ。また、妻が病気がちであることを考えると、妻に十分な財産を遺してあげたい。子どもたち2人は遺留分侵害額請求をせず、私の亡き後、お母さんを支えていってほしい。


令和〇〇年〇〇月〇〇日


東京都〇〇区〇〇町〇丁目〇番〇号


遺言者〇〇 ㊞

相続人が妻のみ、あるいは他の相続人に遺留分がない場合

遺言者○○は本遺言書により次のとおり遺言する。

1.遺言者は妻○○に次の財産を相続させる。

 (1)遺言者名義の下記の土地

  所在 東京都○○区○○丁目

  地番 ○○番

  地目 宅地

  地積 〇〇㎡


 (2)遺言者名義の下記の建物

  所在 東京都○○区○○丁目○○番地

  家屋番号 〇〇番地

  種類 居地

  構造 鉄筋コンクリート造2階建

  地積 1階 〇〇㎡

     2階 〇〇㎡


 (3)遺言者名義の下記の預金全て

  ○○銀行○○支店 普通預金(口座番号123456789)

  ○○銀行○○支店 定期預金(口座番号987654321)


2.その他、遺言者に属する一切の財産を妻○○に相続させる。


3.本遺言の遺言執行者として、妻○○を指定する。


令和〇〇年〇〇月〇〇日


東京都〇〇区〇〇町〇丁目〇番〇号


遺言者〇〇 ㊞

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