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葬儀や埋葬方法の指定には死後事務委任契約

質問

遺言の付言事項に、葬儀や埋葬の方法について記載しました。
これで私の終活は完璧だと思うのですが、他に気を付ける点などありますか?

解答

葬儀や埋葬方法の指定については、遺言だけでは不十分と言えます。

葬儀や埋葬の方法は、法的な効力を有する法定遺言事項ではありませんので、葬儀や埋葬の方法で希望がある場合は、遺言の付言事項に記載することになります。

ただ、遺言の付言事項に記載したとしても、法的効力はありません。

なので、遺族が遺言者の希望する葬儀や埋葬をしてくれるとは限りません。

質問

それは困りますね。
宗教上の理由で、葬儀や埋葬については、必ず私の指定した方法でしてもらいたいです。
何かいい方法はありませんか?

解答

死後事務委任契約という方法があります。

死後事務委任契約とは

死後事務委任契約

死後事務委任契約とは、委任者(遺言者)が生前に信頼できる受任者との間で、死後の事務に関することを決める契約のことです。

死後事務委任契約を締結することにより、死後の事務に法的効力が発生します。

そして、葬儀や埋葬は死後の事務に含まれます。

遺言の付言事項に葬儀や埋葬方法(死後の事務)について記載しても、法的効力は発生しませんが、死後事務委任契約なら法的効力が発生するということです。

死後事務委任契約の項目

葬儀や埋葬方法の指定以外に、以下のようなものを死後事務委任契約で指定することが可能です。

  • ペットの世話
  • 献体や臓器提供
  • 納骨に関すること
  • 行政官庁への諸届
  • 親族、縁故者への死亡の連絡
  • 相続人、縁故者への遺品の引渡(形見分け)
  • 生活用品、家財道具等の整理処分に関すること
  • 病院・施設入所費用等の債務の支払いに関すること

死後事務委任契約をする方法

死後事務委任契約には、法律的に何か決まった方法などはありません。

ただ、委任者(遺言者)が高齢になると、契約したことを忘れるなどして、トラブルになることも想定されます。

なので、現実には公正証書で行うことがほとんどです。

死後事務委任契約公正証書のサンプル

以下は死後事務委任契約公正証書のサンプルとなります。

ここから引用

死後事務委任契約公正証書

本公証人は、委任者○(以下「甲」という。)及び受任者○(以下「乙」という。)の嘱託により、次の法律行為に関する陳述の趣旨を録取し、この証書を作成する。

(契約の趣旨)

第○条委任者甲と受任者乙とは、以下のとおり死後事務委任契約を締結する。

(委任者の死亡による本契約の効力)

第○条甲が死亡した場合においても、本契約は終了せず、甲の相続人は、委

託者である甲の本契約上の権利義務を承継するものとする。

2甲の相続人は、前項の場合において、第○条記載の事由がある場合を除き、

本契約を解除することはできない。

(委任事務の範囲)

第○条甲は、乙に対し、甲の死亡後における次の事務(以下、「本件死後事務」という。)を委任する。

⑴通夜、告別式、火葬、納骨、埋葬に関する事務

⑵永代供養に関する事務

⑶老人ホーム入居一時金等の受領に関する事務

⑷別途締結した任意後見契約の未処理事務

⑸行政官庁等への諸届け事務

⑹以上の各事務に関する費用の支払い

(通夜・告別式)

第○条前条の通夜及び告別式は、○寺に依頼する。

(永代供養)

第○条第○条の納骨及び埋葬は、○寺にて行う。

(連絡)

第○条甲が死亡した場合、乙は、速やかに甲が予め指定する親族等関係者に連絡するものとする。

(預託金の授受預託金を設定する場合)

第○条甲は、乙に対し、本契約締結時に、本件死後事務を処理するために必

要な費用及び乙の報酬に充てるために、金○万円を預託する。

2乙は、甲に対し、前項の預託金(以下「預託金」という。)について預かり証を発行する。

3預託金には、利息をつけない。

(費用の負担)

第○粂本件死後事務を処理するために必要な費用は、甲の負担とし、乙は、預託金からその費用の支払いを受けることができる。

(報酬)

第○条甲は、乙に対し、本件死後事務の報酬として、金○万円を支払うものとし、本件死後事務終了後、乙は、預託金からその支払を受けることができる。

(契約の変更)

第○条甲又は乙は、甲の生存中、いつでも本契約の変更を求めることができる。

(契約の解除)

第○条甲又は乙は、甲の生存中、次の事由が生じたときは、本契約の解除することができる。

⑴乙が甲からの預託金を費消するなど信頼関係を破綻する行為をしたとき

⑵乙が健康を害し死後事務処理をすることが困難な状態になったとき

⑶経済情勢の変動など本契約を達成することが困難な状態になったとき

(契約の終了)

第○条本契約は、次の場合に終了する。

⑴乙が死亡又は破産したとき

⑵甲と乙が別途締結した「任意後見契約」が解除されたとき

(預託金の返還、精算)

第○条本契約が第○条(契約の解除)又は第○条(契約の終了)により終了した場合、乙は、預託金を甲に返還する。

2本件死後事務が終了した場合、乙は、預託金から費用及び報酬を控除し残

余金があれば、これを遺言執行者又は相続人若しくは相続財産管理人に返還する。

(報告義務)

第○条乙は、甲に対し、1年ごとに、預託金の保管状況について書面で報告する。

2乙は、甲の請求があるときは、速やかにその求められた事項につき報告する。

3乙は、遺言執行者又は相続人又は相続財産管理人に対し、本件死後事務終

了後1か月以内に、本件死後事務に関する次の事項について書面で報告する。

⑴本件死後事務につき行った措置

⑵費用の支出及び使用状況

⑶報酬の収受

(免責)

第○条乙は本契約の条項に従い、善良な管理者の注意を怠らない限り、甲に

生じた損害について責任を負わない。

ここまで引用

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