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  3. 遺言で祭祀承継者を指定する場合の効力や注意点

相続人や親族以外の第三者を祭祀承継者として指定することも可能

質問

遺言で、系譜や祭具などの所有権を指定することは可能でしょうか?
夫の相続の時には、私が承継したので何も問題はなかったのですが、私の相続の時は、子供達しか相続人がいません。
相続の時に子供達が揉めないよう、指定できるなら指定しておきたいのですが・・

解答

大丈夫です。
遺言で祭祀承継者や祭祀財産を指定することは可能です。

祭祀者承継者

祭祀承継者は相続人でなければいけない、などの決まりはありません。

よって、相続人以外の方を祭祀承継者として、指定することも可能です。

また、祭祀者承継者を複数人指定することも可能です。

遺言で祭祀承継者に指定しても祭祀義務はない

質問

何かの手違いなのか、遺言で私が祭祀承継者に指定されています。
しかし、私は海外勤務ということもあり、お墓を守ったり、法要を執り行うことが困難です。
私に祭祀義務はあるのでしょうか?

解答

義務はありません。

祭祀承継者に指定された者は、「辞退することはできない」とされています。

だからといって、祭祀義務を負うわけではありません。

遺言書に「命日には必ず墓参りをすること」などと記載しても、効力はありません。

遺言で祭祀承継者を指定する場合には、必ず事前に(生前に)了解を得ておきましょう。

また、祭祀の主宰者に指定された方は、葬儀や一回忌、三回忌の法要等で、少なくない費用が発生します。

また、場合によっては、多額の費用が発生します。

そのため、遺言で祭祀承継者を指定する場合には、そのことも考慮に入れて、財産の配分を考えましょう。

具体的には、少し多めに祭祀承継者には相続させる、あるいは遺贈する、といったことが挙げられます。

遺言で指定がない場合には、慣習によって祭祀承継者を決める

遺言で祭祀承継者について指定がない場合には、慣習に従って決めることになります。

例えば、先祖代々、長男が祭祀承継者となっているような家系であれば、長男が祭祀承継者となります。

なお、遺言の指定も慣習もない場合には、家庭裁判所が祭祀承継者を定めることになります。

祭祀承継者の遺言での指定例

1.遺言者は、祖先の祭祀を主宰する者として、長男 太郎を指定する。それに伴い、長男 太郎には、墓地・仏壇などの祭祀に必要な財産一式を相続させる。

2.祭祀に必要な費用に充てるため、現金300万円を長男 太郎に相続させる。

遺言をお考えの方は、まずはご連絡下さい。