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遺言執行者が相続登記できる条件

相続登記
質問

遺言執行者に指定されているのですが、相続人から「相続登記もお願いします」と言われています。
でも、遺言執行者だからといって、相続登記まですることは可能なのでしょうか?

解答

遺言書の作成日や内容しだいでは、遺言執行者でも相続登記は可能です。

具体的には、以下の条件を満たす遺言であれば、遺言執行者が相続登記をすることが可能です。

  1. 令和元年7月1日以降にされた遺言であること
  2. 特定財産承継遺言であること

特定の財産の承継であることが必要

特定財産承継遺言とは、遺産の分割の方法の指定として、遺産に属する特定の財産を共有相続人の一人、又は数人に承継させる旨の遺言のことをいいます。

そして、特定財産承継遺言であり、その遺言の作成日が令和元年7月1日以降であれば、遺言執行者でも相続登記が出来ます。

質問

特定財産承継遺言とは、具体的にどのような遺言ですか?
よく分かりません。

解答

例えば、「自宅を長男Aに相続させる」といったような遺言の内容は、特定財産承継遺言と言えます。
「自宅という特定の財産」を「長男Aという相続人」に承継させているからです。

質問

ちょっと待ってください。
私が相続登記をお願いされている遺言の内容は、「遺産の3分の1を相続人●●に相続させる」といった内容です。
この内容だと相続登記ができないように思われるのですが・・

解答

そうですね。
確かに遺言の内容が、そのような「相続分の指定」の場合には、遺言執行者は相続登記が出来ないと言えます。

預貯金の払戻や解約も遺言執行者ができる

相続登記と同様に、以下の条件を満たす遺言であれば、遺言執行者が預貯金の払戻や解約をすることが可能です。

  1. 令和元年7月1日以降にされた遺言であること
  2. 特定の預貯金(●●銀行の普通預金2000万円など)を相続させる旨の遺言であること
質問

あれ、令和元年7月1日以降にされた遺言でないとダメなのですか?
随分前に相続があり、私が遺言執行者に指定されておりまして、その時に預貯金の払戻や解約をした記憶があるのですが・・

解答

実務上は、遺言執行者に預貯金の払戻しや解約を認める金融機関が昔からあった、ということが言えます。
法改正により、令和元年7月1日以降にされた遺言であれば、正式にそれが認められたということです。

遺贈する旨の遺言なら、昔も今も遺言執行者が相続登記可能

質問

大変よくわかりました。
遺言執行者に指定されているのですが、その遺言の内容が「●●(法定相続人でない方)へ▲▲を遺贈する」といった内容になっています。
ということは、私は相続登記が出来ない、ということですね。

解答

いや、違います。
あなた(遺言執行者)は相続登記できます。

「相続させる」といった内容ではなく、「遺贈する」といった遺言の内容(いわゆる遺贈)なら、昔も今も遺言執行者が相続登記をすることは可能です。

そして法改正により今では、遺言執行者が選任されている場合、遺贈の登記は遺言執行者のみが可能となります。

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