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  3. 公益法人に財産を寄付する場合の遺言書の文例と注意点

寄付する理由を必ず明記する

社会福祉

相続人がいないと、基本的に遺産は国に行くことになります。(特別縁故者がいる場合には、特別縁故者に行く可能性もあります。)

ただ、自分の遺産は「社会や他の人の役に立ってほしい」と思う方もいると思います。

そのような時には、遺産を公益法人等に寄付するのも一つの手です。

自動的に国に遺産を持っていかれるよりも、遺言者自身が、世のために活動していると思われる公益法人等に寄付したほうが、建設的と言えるかもしれません。

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法定相続人がいない場合でも遺言書は作成するべきか?当サイト:遺言ベスト (リンク先に遷移します)

ちなみに、遺言で寄付をすることは、「相続人がいない遺言者のためだけ」のものではありません。

相続人がいようとも、遺言で公益法人などへ寄付をすることは出来ます。

ただし、相続人がいる場合には、遺留分に注意しましょう。

社会のためになるからといって、「全ての財産を〇〇公益法人に遺贈する」といった遺言書を作成しても、遺留分侵害額請求などにより、その通りにならない可能性もあります。

また、遺産の寄付(遺贈)先が、相続人の方が見たことも聞いたこともないような公益法人だと、相続人の心理的負担が増加します。

よって、遺産を遺言で寄付する場合には、「なぜ〇〇に寄付をするのか?」といった、理由も必ず記載するようにしましょう。

そして、本当に全財産を寄付したい場合には、遺言書の付言事項で、「遺留分侵害額請求をしないように相続人に依頼する」といったことも必要です。

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遺留分を知らずに遺言書を作成してはいけない当サイト:遺言ベスト (リンク先に遷移します)

公益法人に財産を寄付する遺言書の文例

遺言者 寄付幸之助は、本遺言により、次のとおり遺言する。

  第1条 社会福祉法人〇〇に現金1,000万円を遺贈する。


  第2条 〇〇奨学会に現金1,000万円を遺贈する。


  第3条 残りの財産については、長男 太郎、二男 次郎、長女 花子に、1/3ずつ相続させる。


  第4条 本遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。

    住所 東京都新宿区〇町〇丁目〇番〇号

    税理士 〇〇


付言事項

社会福祉法人〇〇には、生前大変お世話になった。私の死後も存続し続けることを願っている。よって、1,000万円を寄付することにした。

〇〇奨学会にも、学生時代に大変お世話になった。社会福祉法人〇〇と同様に、私の死後も存続し続けることを願っている。よって、1,000万円を寄付することにした。


令和〇年〇月〇日


東京都〇〇区〇〇町〇丁目〇番〇号


遺言者 寄付幸之助 ㊞

注意点

寄付(遺贈)する団体先の名称や、寄付する金額、寄付する理由を明記しましょう。

ちなみに、遺言で相続財産を移転することを「遺贈」と言います。

よって、遺言で寄付をしたい場合は「寄付する」ではなく「遺贈する」と記載します。

遺言をお考えの方は、まずはご連絡下さい。