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  3. 認知症や障がい者に財産を遺す場合の遺言書の文例と注意点

遺言に「成年後見人の選任手続きを行う」よう記載する

夫、もしくは妻が認知症である。あるいは、障がい者である。

そんな配偶者を残して、先に逝ったらどうなるのか?

心配は尽きないと思います。

一つの解決策としては、認知症や障がい者の方が相続人である(推定相続人である)場合には、他の相続人(子供達など)に「成年後見人の選任手続きを行うこと」などと、遺言書に記載するといった方法があります。

また、認知症や障がい者である相続人に、遺言書で遺産を多く遺す、といったことも挙げられます。

成年後見人は保護者のような権限を持つ

成年後見制度には、家庭裁判所が後見人などを選任する法定後見制度と、本人が後見人を選任する任意後見制度があります。

分かりやすく言えば、判断能力が衰える前であれば任意後見制度、判断能力が衰えた後であれば法定後見制度を活用する、といった形となります。

ちなみに、ここで紹介している成年後見とは、法定後見制度のことを指しています。

成年後見人には、自分自身で判断することが出来ない者を支えるために、保護者のような権限を持ちます。

具体的には、本人に代わって、預金の入出金や介護施設への入所といった、様々な手続きをすることが出来ます。

遺言書で成年後見人の指定は出来ない

遺言書で「〇〇を成年後見人とする」といった指定は出来ません。

指定したとしても、法的拘束力はありません。

他の相続人や親族などが家庭裁判所で手続きをして、後見人を選任してもらう必要があります。

よって、遺言書には、成年後見人の指定ではなく、「成年後見人を選任する手続きを行うこと」等と記載します。

ただし、「未成年後見人」と「未成年後見監督人」の指定は、遺言書で可能です。

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遺言で未成年後見人の指定をする場合の文例と注意点当サイト:遺言ベスト (リンク先に遷移します)

成年後見人の選任手続きを促す遺言の文例

第〇条 遺言者 甲の他界後、長男 乙は速やかに、妻 花代に係わる成年後見人の選任手続きを行うこと。


注意点

「成年後見人として〇〇を指定する」といった記載をしないように注意しましょう。

遺言をお考えの方は、まずはご連絡下さい。