「受取人を変更する」と明確に記載する
遺言で生命保険金の受取人を変更する場合には、「受取人を変更する」としっかりと記載しましょう。
「保険金を受け取らせる」などの文言だと、受取人を変更するという、意味なのかどうか曖昧になり、変更できない可能性もあります。
また、受取人を変更したい保険契約を、遺言で明確にすることも必要です。
具体的には、以下の項目は必ず記載しましょう。
- 証券番号
- 保険会社名
- 現在の受取人
ちなみに、保険金の受取人を、1人から複数人に変更することも可能です。
なお、生命保険金は原則、遺留分の対象とはなりません
よって、相続人の遺留分に配慮する必要は、原則ありません。
生命保険金の受取人を変更する遺言の文例
遺言者○○は本遺言書により次のとおり遺言する。
1.遺言者がA生命保険相互会社と締結した、下記➀の生命保険契約の死亡保険金の受取人を、長男 幸太郎に変更する。
➀ 生命保険契約の内容
証券番号:123-456-789
保険会社名:A生命保険相互会社
契約締結日:令和〇年〇月〇日
保険契約者:遺言者
被保険者:遺言者
死亡保険受取人:遺言者の妻・幸代
(2~4略)
5.上記1の意思をA生命保険相互会社に通知すべく、本遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
住所 東京都〇〇区〇〇町〇丁目〇番地〇号
税理士 〇〇
令和〇〇年〇〇月〇〇日
東京都〇〇区〇〇町〇丁目〇番〇号
遺言者〇〇 ㊞
ポイント
遺言執行者に「生命保険会社への通知」をするように、遺言書で明記しましょう。
生命保険会社へ通知をしないと、受取人の変更は出来ません。
生命保険金の受取人を複数人に変更する遺言の文例
遺言者○○は本遺言書により次のとおり遺言する。
1.遺言者がB生命保険相互会社と締結した、下記➀の生命保険契約の死亡保険金の受取人を、長男 幸太郎と長女 幸代に変更する。また、変更後の死亡保険金給付請求権の割合は、下記の➁の通りとする。
➀ 生命保険契約の内容
証券番号:987-654-321
保険会社名:B生命保険相互会社
契約締結日:平成〇年〇月〇日
保険契約者:遺言者
被保険者:遺言者
死亡保険受取人:遺言者の妻・花代
➁ 死亡保険金給付請求権の割合
長男 幸太郎:2/3
長女 幸太郎:1/3
遺言執行者 甲は、この遺言の効力が生じた後、速やかにB生命保険相互会社に対し、保険金受取人の変更の通知、および所定の手続きを行うものとする。
(2~4略)
5.本遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
住所 東京都〇〇区〇〇町〇丁目〇番地〇号
税理士 甲
令和〇〇年〇〇月〇〇日
東京都〇〇区〇〇町〇丁目〇番〇号
遺言者〇〇 ㊞
ポイント
生命保険金の受取人を複数人に変更する場合には、死亡保険金給付請求権の割合や金額を明記しましょう。