契約書の有無にかかわらず、借地権も遺言書に記載する
そろそろ遺言書の作成を考えています。
主な財産は、現預金と自宅で、土地は借地です。
借地をしている土地は、遺言書にどのように記載すればよいのでしょうか?
遺言書には「相続させる」と書くことが重要です。
「遺贈する」と記載した場合、借地権の相続に地主の承諾が必要となります。
また、同一の土地(借地をしている土地)に、自宅と賃貸建物といった用途の異なる建物があり、それぞれ別の相続人に遺産相続させる場合には、地主と相談し、借地権を生前のうちに分割しておきましょう。
そうしないと、自宅と賃貸建物を遺産相続した各相続人が、地主と交渉し契約を結ぶ必要が出てきます。
地代単価をどうするのか?といった面倒な話になりますので、生前のうちに分割し、スッキリ相続できるようにしておきましょう。
借地契約書が見当たりません。
そもそも借地契約書を作成したのかも怪しいです。
借地契約書がなくても、借地権のことを遺言書に記載できるのでしょうか?
なくても記載は可能です。
ただし、生前に地主と相談し、借地契約書を作成しておくことをお勧めします。
借地権を相続させる遺言書の文例
遺言者 相続太郎は、本遺言により、次のとおり遺言する。
第1条 下記建物および借地権を、遺言者の長女 花子に相続させる。
1 所在 東京都新宿区〇町〇丁目〇番
家屋番号 〇番1
種類 居宅
構造 木造瓦葺平屋建
床面積 70.00㎡
2 前項記載の建物所有を目的とする下記の土地賃貸借契約における借地権
締結日 令和〇年〇月〇日
賃貸人 〇〇平之助
所在 東京都新宿区〇町〇丁目〇番
借地面積 140.00㎡
地代 〇〇万円
令和〇年〇月〇日
東京都新宿区〇町〇丁目〇番
遺言者 相続太郎 ㊞
注意点
借地契約書(土地賃貸借契約書)の内容も記載します。
また、「相続させる」と記載することも、忘れないようにしましょう。
借地契約書がない場合の遺言書の文例
遺言者 相続花代は、本遺言により、次のとおり遺言する。
第1条 下記建物および、その建物にかかわる借地権を、遺言者の長男 太郎に相続させる。
1 所在 東京都足立区〇町〇丁目〇番
家屋番号 〇番1
種類 居宅
構造 木造瓦葺平屋建
床面積 100.00㎡
令和〇年〇月〇日
東京都足立区〇町〇丁目〇番
遺言者 相続花代 ㊞
注意点
借地契約書がない場合には「その建物にかかわる借地権」と記載しましょう。